「春咲き球根」で春爛漫ガーデンを楽しもう!
朝日が昇るのも日に日に早く、夕方といわれる時間も長くなってくる今日この頃。
桜の蕾も膨らみ、本格的な春もすぐそこまで来てくれています。
フラワーショップの店先では、実際の季節よりも一足早く、パステルカラーやペールトーンの花達で春爛漫になっています。
実は、 意外なことに春の花が豊富に揃うのはクリスマスの頃から3月いっぱいまでなのです。洋服やメイク用品などと同じように、季節先取りで冬の間に出回ることがほとんどです。
桜が咲いた後の春本番の頃になると、今度は初夏~夏の花にチェンジしていきます。春の花を楽しめるのは、あと少しの期間になります。
ですので、今回はフラワーショップによく並んでいる春を代表する球根花をご紹介します。
今春は切り花で楽しんで、今秋の球根を植え付けるシーズンには、ぜひチャレンジしてみてください。
*ラナンキュラス
園芸分類 草花、球根
形態 多年草
原産地 中近東からヨーロッパ南東部
草丈/樹高 30~50cm
開花期 3月~5月
花色 黄,白,赤,ピンク,複色,紫,緑,オレンジ
耐寒性 普通 耐暑性 弱い(暑くなると休眠)
ラナンキュラスはたふたふと幾重にも重なった、明るい花弁が魅力的な秋植え球根です。近年、切り花用品種を中心に改良が急激に進み、花色だけでなく花形も変化に富んだ品種、香りのよい品種が登場しています。
その色味や優美な花型はアレンジメントや寄せ植えの主役にもなります。
キンポウゲ(ラナンキュラス)属の植物は約500種ありますが、「ラナンキュラス」と呼ばれているのは、中近東からヨーロッパ南東部にかけての、地中海性気候の地域に分布するラナンキュラス・アシアティクスを中心に改良された園芸品種です。秋から春にかけて生育し、高温になる夏には休眠します。
種子から殖やすこともできますが、球根を植えた方が早く生長します。
ラナンキュラス・ラックスという品種は、比較的暑さにも強く
秋に返り咲もするので同じ年に2度楽しめます。
*アネモネ
園芸分類 草花、球根
形態 多年草
原産地 ヨーロッパ南部~地中海東部沿岸地域
草丈/樹高 15~50cm程度
開花期 2月~5月
花色 白、赤、ピンク、青、紫、複色
耐寒性 強い 耐暑性 弱い
古くから人との関わりが深く、神話や伝説にも多く登場しているアネモネ。ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域の原生地から各地への伝播には、十字軍や巡礼者が関わっています。当時の絵画にも多く描かれています。
原生地では、比較的雨の多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れると球根(塊根)になって、暑く乾燥する夏を越します。日本でも、涼しくなる秋に芽を出し、春に咲いて夏前に地上部を枯らし、塊根をつくって休眠します。水はけと日当たりのよい場所に植えつけ、多肥にしないように管理すれば、何年も植えっぱなしで花が咲きます。
原種は一重咲き品種ですが、近年では品種改良が進み、八重咲の豪華に見える種類も多く見かける様になりました。
他の春咲き球根にはない、ビビットカラーの花が元気をもたらしてくれます。
*チューリップ
園芸分類 球根
形態 多年草 原産地 中央アジア~北アフリカ
草丈/樹高 10~70cm
開花期 3月下旬~5月上旬(開花期間は1~2週間)、原種の開花は3月から
花色 白、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、紫、黒、複色
耐寒性 強い 耐暑性 暑い時期は休眠
チューリップは、世界中で人気のある球根植物です。品種は、開花期の早生、中生、晩生そして原種の4つに大別され、さらに来歴、花形と草姿などによって15系統に分類されています。例えば、一重咲き、八重咲き、ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなどがあります。
球根を購入する際は、堅く締まった大きな球根で、黒っぽい斑点などがない肌のきれいなもの、腐っていないもの、発根部が変色していないものを選びましょう。 球根を10月~12月に植えつけると1月ごろまで芽が出てきませんが、この間に地下部の根は伸びています。1月ごろから芽が出て葉が展開し、やがて花茎が伸びて4月ごろに開花します。
開花期の違いを生かして、何種類か植え付けてチューリップのリレーション花壇を作ってみるのも楽しいです。