道端の一輪の花はどこから来たか知っていますか?
そこに種を播いたり、苗を植えたわけではないのにいつの間にかそっと咲いている花がありますよね。
人間が意図的に播いたものではなく、 植物から自然にこぼれ落ちた種子やその種子から生えてきた植物のことを「こぼれ種」といいます。
植物が結実をして自力で種を飛ばして発芽させたものや、虫や鳥などを媒介として殖えていくものもあります。
発芽するまでの環境が決して整っているというわけではないかもしれません。
定期的に水分もないかもしれませんから、発芽もできないかもしれません。
運よく発芽しても、強い日光に当たってしまったら赤ちゃんの様なまだ柔らかい新芽はひからびてしまうかもしれません。
その様な状況の中で生長をして花を咲かせることができた植物は生命力があり、
病害虫にも非常に強いです。
春に開花する花で、こぼれ種で増えやすい植物をご紹介します。
*オルラヤ
セリ科
別名 ホワイトレース、オルレアグランデフローラ
属名 Orilaya grandiflora ‘White Lace’
原産地 ヨーロッパ
開花期 3~7月
形態 1年草
耐暑性 弱い。多くは夏に枯れてしまうがこぼれ種で増える。
耐寒性 強い。
背丈 60~100cm位
清楚でナチュラルな感じが魅力で人気の植物です。
残念ながら高温多湿に弱く、梅雨前には枯れてしまう事が多いですが、
晩秋~初冬にかけて、切れ込みが入ったニンジンの葉の様な小さな芽がたくさん出てきてくれます。
花とは対照的に、イガイガした種ができて触れると少し痛いです。
株が枯れ始めた初夏頃に実ってきます。
同じ系統のパステルカラーの草花や、対照的な濃い赤や黒色の濃い色合いの草花などどんな色合いの植物とも調和するので、とても合わせやすいですよ。
薔薇との相性もバツグンです。
単体でたくさん咲かせても可愛いく、丈が長いので、切って花瓶に挿してお部屋で楽しむこともできます。
*ワスレナグサ
科・属 ムラサキ科・ワスレナグサ属
和名 勿忘草、忘れな草
英名 forget-me-not
学名 Myosotis
原産地 ヨーロッパ
開花期 4月~6月
勿忘草(ワスレナグサ)はムラサキ科の一年草、こぼれ種でどんどん増える強い植物です。原産地のヨーロッパでは、勿忘草(ワスレナグサ)は多年草として分類されますが、日本の梅雨のジメジメと真夏の暑さや過湿を嫌うので夏越しできないことから、日本では春咲一年草として分類されています。
勿忘草(ワスレナグサ)のひとつひとつの花は米粒サイズの小さな花ですが、4月~6月、無数にブルーの小花を群生させて開花している光景は絵本の様な世界でとても素敵です。
最近は、ブルーの他ピンクや白の忘れな草もあります。また、花丈も高性のものが出てきて、花壇の後ろ側に植えたり切り花としても出回りがあります。
*ネモフィラ
科名 / 属名:ムラサキ科 / ルリカラクサ属(ネモフィラ属)
学名:Nemophila
和名:ルリカラクサ(瑠璃唐草) その他の名前:ベビーブルーアイズ
原産地:アメリカ西部
草丈/樹高 10~20cm 開花期 4月~5月(ポット苗は2月~3月に流通)
花色 青、複色
近年、観光スポットで一躍有名になった花です。
ネモフィラは森の妖精のような、澄んだブルーの花が愛らしく、春の花壇やコンテナの寄せ植えなどに多く利用されています。
細かく切れ込んだ葉が密に茂り、自然に分枝して咲きながら大きくこんもりと成長します。鉢やコンテナの縁からあふれるように咲かせると見事です。緑化材料のワイルドフラワーとしても利用され、ハナビシソウ、リナリア、リムナンテス、ギリアなどと混合したタネを秋にまくと、4月には花いっぱいのお花畑がつくれます。ネモフィラ属には18種がありますが、栽培されるのはブルーのメンジェシー種(Nemophila menziesii=インシグニス)と、その変種2種、そしてファイブスポットと呼ばれる大輪のマクラータ種(N.maculata)です。
よく「こぼれ種で殖えますか?」と尋ねられますが、殖えやすい品種であっても
草と間違えて抜いてしまったり、除草剤をかけてしまうと翌年の花は見ることができなくなってしまいますので十分お気をつけて下さいませ。